カジワラヨウスケ建築設計

黒の家

本住宅は新たに造成された住宅街の端に位置し、新旧2つの道路に挟まれた敷地に建つ。一方には新築住宅が建ち並び、もう一方には昔ながらの瓦葺き切妻屋根の住宅が建ち並ぶ敷地である。設計するにあたり、この2つの雰囲気を持つ場所で調和のとれた住宅にしたいと考えた。矩勾配の切妻屋根により象徴的なプロポーションをつくり出すと共に、外壁には伝統的な焼杉を使用することで、昔ながらの街並みと新しい街並みの調和を図った。施主からプライバシーを十分に確保したいとの要望があった。そのため隣地に向けての開口部は最小限に抑え、中庭を設けることで採光通風を確保した。各居室が中庭に面するよう計画することで、採光通風のみならず、各居室のつながりが生まれ、親子、夫婦それぞれ別の居室にいても存在を感じあえる計画とした。また、中庭に面して吹抜を設けることで、外光が届く明るいLDKをつくり出すと共に、ブリッジに設けた開口部から温度差換気により自然換気効率を高め、住環境を向上させている。窓には樹脂サッシを採用し、外周部の窓の数を減らすことで、断熱性能を向上させ、省エネルギーに努めた。

 

所在地:島根県松江市
用途:専用住宅
延床面積:95.94㎡
構造規模:木造2階建
施工会社:株式会社金見工務店
竣工:2022年11月
撮影:キーモン

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