カジワラヨウスケ建築設計

戸坂出江の家

計画地は広島市においても早い段階から宅地造成が行われてきたが、土地は徐々に細分化され比較的小規模な宅地が多く見受けられる。
そのため居住面積を確保するため建物は上の伸び3階建て住宅が立ち並んでいる状況である。

当敷地は前述のとおり、東南西の3方向に3階建て住宅がそれぞれ立ち並ぶ谷間のような敷地である。
また正面には高層マンションが建つため、圧迫感を感じる通りとなっている。
そこで本計画では屋根は腰折れ屋根とすることで、前面道路へのプロポーションを低く抑え南側の高さを確保することで、通りの圧迫感の軽減と居住性との両立を図った。
また軒を低い位置まで下げることで、高層マンションとの関係をコントロールしプライバシーの確保と同時に高層マンションの道路側に整備された緑地帯の緑を建物内に取り込む計画とした。

また良好な採光通風を確保するために、建物中央に各階を貫く吹抜けを設けることにより各居室への採光通風を確保した。南側から光を取り込み、温度差換気を利用することで縦方向の光と風の通り道をつくり出す。
各居室には吹き抜けにつながる小窓を設けることにより、吹き抜けを介して光が差し込み開放的な空間となる。
光と風の通り道をつくることで空間の広がりを高めると同時に建物内での親と子の距離を近づけ、より繋がりを深められると考えている。

 

所在地:広島県広島市
用途:専用住宅
延床面積:92.35㎡
構造規模:木造2階建
施工会社:天満木材工業株式会社
竣工:2022年6月
撮影:ボンドナカオ

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